自分の心の奥底にある
「思い」の澱のようなものを
丁寧に丁寧に
掬いあげて綴る
かつて私は
どんなことより
好きだった
その時間が。
そして
ある夜
手にしたのは
いつか「もの書きさん」を名乗れたら…という
小さな小さな野望
それは まるで
地から這い上り
芯で燃えるがごとき月
遠く 遠く
でも いつ いかなるときも
ゆらり 立ち昇る 野望
けれど。
そんな野望を手にしていたことさえ
既に忘れ
願うことすらなくなっていたのだ
もう 幾年も
されど
願うことすら忘れ
もがくことすらなく
なんの意識もしていないとき
時は満ちる
扉は開く
満願成就
燃ゆる月に
今
私は立っている