押し寄せる雑事を片端から対応し、片付けてはまたを繰り返し1年が経つ。
ありとあらゆる物事が
自分の予測や計画を狂わせる。
夢十夜の第十夜に「豚に舐められますがよござんすか?」とあるが
後から後から湧いてくる「豚」をステッキで打ち払う。
獅子奮迅の働き、
されど
庄太郎が豚に舐められてしまったが如く
疲労困憊、
諸事万物、自分自身すら
コントロールなどできないのだと知る
なんと無力なわたし…
ああなんと、何もできないわたし…
これはなんと形容すればよいのだろう?
ああ、あれだ、
例えるなら
ポツダム宣言受諾
無条件降伏だ
そのとき
胃の腑から「白いもの」が湧き上がった
これはなんと呼べばよいのだ?
そう、たぶん、名付けるなら
「安寧」
すると
「私」は泡になり
金色の光の海に放たれた。
光の海にたゆたいながら
あれほど切望し
あれほど執着した「安寧」は
なんだ、ここにあったのか…
光のつぶも泡もその境目も溶けていく
なんだ、「私」なんて、いないじゃないか
なんだ、「私」なんて、溶けてるじゃないか
自分も他人も過去も未来も
どうでもいい
そういうことじゃないか…
全てがもともとあった
ならば、もう、無条件に降伏しよう
もう、何も足掻かなくてよい
もう、なるがまま、あるがままにたゆたえばよい
