色の名前の種類
ある特定の色を他の色と区別して認識するために選ばれた色の名前を色名という。その意味や語源がわかりにくい基本色彩語と違って、色名にはその言葉を表す意味があるし、命名の由来がある。
その意味や由来によって色名には以下に紹介するような種類があげられる。
◆二次的色彩語としての色名
基本色彩語で表される色カテゴリーの中から特定のある色を指定する場合、その色の特徴を明らかに備えた誰もが知っている事物の名前を借りてその色を表すことが多い。
例)空色・スカイブルー→たいてい晴天の空の色、明るい青
◆色彩技術に関する色名
多くの民族が昔から色の表現のために用いてきた染料・顔料などとの着色材料の名前を借りた色名。
例)漢字の「丹」=土の名前、色名
「朱」=顔料名
「藍」「インディゴ」=原料植物の名
◆文学的色名
二次的色彩語と同様に良く知られている自然界の事物を借りて色名としているがその色を美化するようにあるいは情緒的表現として選ばれたような色名。
例)バラ色のローズ
◆商業的色名
18世紀後半に始まる産業革命,19世紀には市民大衆社会が成立、貴族階級に専有されていた芸術も遊びも流行も新興市民階級の間に広がった。19世紀後半には化学染料が発見され、絵の具や塗料にも合成無機顔料が加わった。そして、色名も一般大衆向けの商業主義の副産物になった。
色名の8割以上は実は近世、近代に生まれた商業的色名。
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【色の名前507】福田邦夫著から抜粋
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